ステアリングボスの選び方|HKB品番の見方とエアバッグ車の注意点

ボスは「ハンドル」ではなく「車」で決まります
社外ステアリングに交換するとき、いちばん多い勘違いがここです。ステアリングボス(ボスキット)はハンドルに合わせて選ぶ部品ではなく、車に合わせて選ぶ部品です。
ボスは、車両側のステアリングシャフトと社外ハンドルの取り付け面をつなぐアダプターです。シャフトのセレーション(ギザギザ)の形状、太さ、ホーンの配線、エアバッグの有無——これらはすべて車種・年式・型式で決まります。ですから品番は「MOMO用」「NARDI用」ではなく、「この車用」として選ぶことになります。
買う前に決めることは、実質2つだけです。
- 車両側:自分の車の車種・年式・型式に合うボスの品番(適合表で決まります)
- ハンドル側:取り付け穴の数とPCD(ハンドルの仕様で決まります)
この2つが合っていれば装着できます。どちらか片方だけを見て買うと、届いてから合わないことになります。
HKBの品番の見方
HKBのステアリングボスキットは、品番の頭2文字が車種メーカー別の適合表の区分になっています。
- OT — トヨタ
- ON — ニッサン
- OH — ホンダ
- OM — ミツビシ
- OR — マツダ
- OS — スバル
- OU — スズキ
- OD — ダイハツ
- OI — イスズ
ここで押さえておきたいことが2つあります。
ひとつは、品番の数字は性能やグレードの順位ではないということです。OT-163がOT-47より新しいとか、スポーツ走行向きだといったことはありません。適合を識別するための番号でしかありません。「数字が大きいほうが良さそう」という選び方をすると、単に付かない部品を買うことになります。
もうひとつは、同じ品番が複数のメーカーの適合表に載ることがある点です。OEM供給車(他社から供給を受け、名前を変えて売られている車)や、ホーンのカプラー形状が共通の車があるためです。たとえばスズキの適合表にトヨタ区分の品番が並ぶこともあります。迷ったときは「自分の車のメーカーの適合表に載っている品番」を採れば大丈夫です。
適合表はメーカーサイトのものが最新です。年式の途中で適合が切り替わっている車種もありますので、車検証の型式まで見て突き合わせてください。
当店では、メーカーの適合表をもとにした車種別の参考適合表をご用意しています。車種名(「アリスト」など)や車検証の型式から品番を引き、そのまま商品ページへ進めます。あくまで参考情報ですので、最終確認はメーカーの適合表でお願いします。
ハンドル側は「穴数」と「PCD」を見る
ハンドル側の取り付け面は、ボルト穴の数と、その穴が描く円の直径(PCD)で決まります。MOMO、NARDI、Personal、OMPといった主要な社外ステアリングは6穴・PCD70mmが主流で、HKBのボスもこれに合わせて作られています。
ただし、すべてのハンドルがこの規格というわけではありません。古いものや輸入品、一部のレース用ハンドルには例外があります。お手持ちのハンドル、あるいはこれから買うハンドルの仕様を必ずご確認ください。
エアバッグ装着車で必ず起きること
ここがいちばん大事なところです。社外ハンドルに替えるということは、純正のエアバッグ付きステアリングを外すということです。
- 運転席エアバッグは機能しなくなります。当たり前のようですが、まずここが出発点です。
- エアバッグ警告灯が点灯したままになります。回路が切れた状態を、車両が異常として検知するためです。
- 警告灯が点いたままだと車検に通りません。平成29年2月以降、エアバッグ警告灯を含むいくつかの警告灯が点灯・点滅している車は、保安基準に適合しないものとして扱われます。
- 抵抗(キャンセラー)で警告灯を消しても、エアバッグが戻るわけではありません。灯りが消えるだけです。
- ハンドル側にホーンマーク(ラッパのマーク)が必要です。社外ハンドルには付いていないものがあり、車検で指摘されることがあります。
加えて、エアバッグそのものの取り外しには危険が伴います。作業前のバッテリー端子の処理を含め、手順を誤れば展開する可能性のある部品です。
エアバッグ装着車のステアリング交換は、専門店に依頼してください。当店は部品の販売のみで、取り付け作業・適合・車検の可否についての保証はいたしかねます。最終的な判断は、作業される整備工場や検査を受ける場所によっても変わります。
ホーンが鳴らない、というよくある詰まり
ボスキットにはホーン用の配線が含まれていますが、車両側のホーンカプラーの形状は車種で違います。適合表が「ホーンカプラーの違い」で品番を分けていることがあるのは、このためです。同じ車種に品番が2つ並んでいるときは、たいていここを見分けています。
もうひとつよくあるのが、MOMOのレース用ステアリング(中央にホーンボタンのないタイプ)でホーンが鳴らないケースです。アースが落ちないことが原因で、こうしたときはMOMOレースハンドル用アースキットで処理します。ホーンが鳴らない状態では車検に通りませんので、交換の前に手当てを考えておいてください。
スペーサーで位置を出す・逃がす
ボスが決まったあとに出てくるのが、位置の問題です。HKBには用途のまったく違う2種類のスペーサーがあります。
ステアリングボススペーサー(10mm / 20mm)
ボスとハンドルの間に挟んで、ハンドルを手前(ドライバー側)に出すためのものです。シートポジションを下げたらハンドルが遠くなった、という場合に使います。10mmと20mmの2種類をご用意しています。
アルミナムチェンジスペーサー(5mm)
こちらは用途がかなり具体的です。クイックリリースを使うときに、ホーンボタンのブラケットがクイックリリース側と干渉することがあります。この5mmのプレートを挟むとステアリング全体がクイックリリースから離れ、干渉が解消されます。MOMO・NARDI製ステアリングに対応しています。
5mm×1枚のバラ売りのほか、シルバー・オールブラックもございます。1枚で足りない場合は、2枚重ねと長めのネジを併用してください。
買う前のチェックリスト
- 車検証で車種・年式・型式を確認する
- メーカーの最新の適合表で品番を確定する(年式の途中で切り替わる車種があります)
- ハンドル側の穴数とPCDを確認する(6穴・PCD70が主流)
- エアバッグ装着車なら、作業を依頼する専門店を先に決めておく
- ホーンマークの有無と、ホーンの配線を確認する
- ポジションを変えたいなら、スペーサーも一緒に手配する
※適合違い・装着できない等を理由とする返品・交換はお受けできません。適合表でのご確認をお願いしているのは、この点があるためです。
よくある質問
品番の数字が大きいほど新しい、性能が良いということですか?
いいえ。数字は適合を識別するための番号で、性能やグレードとは関係ありません。ご自身の車の適合表に載っている品番が、その車にとっての正解です。
ハンドルとボス、どちらを先に決めればいいですか?
順番はどちらでも構いませんが、決める基準が違います。ボスは車で決まり、ハンドルは穴数とPCDで合わせます。ハンドルを先に買うのであれば、6穴・PCD70のものを選んでおくと、あとの選択肢が広くなります。
適合表に自分の車が載っていません。
年式・型式によっては表に無い場合や、変更・追加が反映されていない場合があります。メーカーの最新の適合表をご確認いただくか、当店にもお問い合わせください(適合の保証はいたしかねますが、分かる範囲でお調べします)。
エアバッグ付きの車でも買えますか?
部品としては販売できます。ただし取り付けはお客様の責任となり、警告灯・車検・安全性について上に書いた点がそのまま当てはまります。専門店にご相談のうえで進めてください。
取り付けは自分でできますか?
エアバッグのない車であれば、工具が揃っていればご自身で作業される方もいらっしゃいます。ただしステアリングは、外れてしまえば操作できなくなる部品です。締め付けの確認を含めて少しでも不安があるなら、専門店へ依頼してください。
商品の状態はどうですか?
新品・未使用品です。新品ですが、製造過程・輸送時・保管時等についたと思われる若干の小傷等がある場合が稀にございます。
ステアリング交換は、乗り味と運転姿勢がいちばん分かりやすく変わるカスタムのひとつです。その一方で、選び間違えると付かない、付いても車検で困る部品でもあります。車検証の型式、メーカーの適合表、ハンドル側の穴数——まずはこの3つを押さえてください。品番選びでご不明な点があれば、ご購入前にお気軽にお問い合わせください。
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。適合・仕様・使用条件は、必ず各商品ページの記載および メーカーの公式情報をご確認ください。取り付け作業に不安がある場合は専門店へご相談ください。
